NOWHERE NOWHEREの香りには、それぞれに紐づくストーリーとイメージビジュアルがあります。
これらは、調香師が香りに込めた想いや経験、メッセージなどを表しています。
ぜひ情景を思い浮かべながら、香りに向き合ってみてください。
それは、あなたのための香りになるはずです。
#621 | Amber
ホーリーフやムスクをブレンドした
ジェントルなアンバーの香り
あの日友人とダイニングバーで飲んだ後、
どのようにして帰路についたのかが到底思い出せない。
目を覚ますと時計の短針は既に一周半近くも回っていて、部屋もすでに翳っていた。
葉巻、ポマード、祖父の匂い。
時々見る長い夢に、救われる。
今もなお鮮明に思い出される祖父の背中を、ずっと追い続けている。
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幼い記憶の中で、僕の祖父は堅物で昔気質な怖いだけの人でした。
いつしかそんな記憶はとうに薄れ、今となっては僕にとって「理想の大人像」になっています。
笑うことなんか滅多になかった祖父が、最期に見せてくれた穏やかな表情。
その瞬間、祖父に対しての想いは畏怖から尊敬の念に変わったように思います。
「男とはこうあるべきだ」と押し付けるような、むさ苦しい存在ではなく、
余裕があって落ち着いた「大人としての格好良さ」を体現していたように、自分が大人となった今思い出されるのです。
#621の香りには、僕が考える「大人としての格好良さ」を込めました。
香りで表現できる格好良さは、「ウッディ」「シャープさ」などがすぐに思い付きましたが、そこに祖父の最期の表情を表すような「温かみのある甘さ」で包み込むような香調を目指しています。
あの頃の祖父からすると「まだまだ青いな」と一蹴されるような僕かもしれませんが、祖父の後ろ姿を思い出させてくれるこの香りがあれば、一歩ずつ祖父のような「かっこいい大人」に近づけるような気がします。
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