NOWHERE NOWHEREの香りには、それぞれに紐づくストーリーとイメージビジュアルがあります。
これらは、調香師が香りに込めた想いや経験、メッセージなどを表しています。
ぜひ情景を思い浮かべながら、香りに向き合ってみてください。
それは、あなたのための香りになるはずです。
#A65 | Woody Amber
バニラやヘリオトロープをブレンドした
甘いウッディアンバーの香り
アフォガートを食べる時、決まってきみは、
溶けかけたアイスクリームを幼子のように
口いっぱいに頬張ろうとする。
それが合図かのごとく私は、部屋の灯りを消した。
アフォガート【affogato】 :《伊「溺れる」の意》アイスクリームにエスプレッソやリキュールなどをかけたデザート
----------
感情や記憶をテーマにフレグランスを創造するにあたり、「性欲」という欲求を避けて通ることはできないと思い、この香りを創り出すことは初期段階で決まっていました。
先立ってお伝えしておくと、この香りは、何もセックスをイメージした香りではなく、性欲の陰に隠れた感情を表現しています。
食欲:食べたい
睡眠欲:寝たい
性欲:…?
人の三大欲求の中で、性欲は求めるものがはっきりとしていないように思います。
必ずしも性的な行為をせずとも、パートナーが隣に寝ているだけで満たされる人もいるように、何で満たすかは人それぞれです。
ともすると、性欲で満たされるものは、結局のところ「心」であり、すなわち感情に通じるものなのではないか。
性欲から生まれる感情は、愛おしいという気持ちに近いような気もしますが、
もう少し貪欲で、わがままで、愛情の押し付けとも考えられるような僅かな乱暴さもあり、少し粘性のある感情だと、わたしは考えます。
#A65にはバニラやヘリオトロープといった、鼻腔にまとわりつく甘さのある香りに、オレンジやトンカビーンズの温かみを得られる原料を合わせ、温度・湿度の高い感情を表現しました。
時にタブー視される性欲という感情ですが、きちんと向き合うべき大切な情緒のひとつだと思います。
そうした感情にも寄り添える香りになってくれたら、と願います。
------------------------------------
#A65のアイテムはこちら